会社勤めを辞め、この仕事を始め20年が経ちました。 想えば昭和が終わろうとしていた昭和63年、昭和天皇崩御の年7月に「BLUE HEART」という、ぎっしりと思いの篭った8坪の小さなショットバーをopenしました。 その思いはとてもシンプルで今でも変わらない「自分が飲みに行きたいお店」でした。
目立たない狭い入り口から地下へ階段を12段降ります。 小さな窓から店内を覗きながら石っころのドアノブを押して入ります。 そこは黒で統一された世界です。 バーカウンターはブルーパールという御影石です。全体は黒いのですが、その名のとおり所々がブルーに光り輝きます。 バックバーや壁は黒のジュラク壁(和風の壁に使う土壁の黒)で、ボトル類は一切見えないよう仕舞われています。 奥の古い色褪せた煉瓦の壁だけがこの店で自己主張している。 唯一バックバーの棚にスコッチウィスキーが樽のまま鎮座しています。 その樽のコックを捻り直にグラスに注ぐ、活きているスコッチウィスキー。 そのグラスには南極の氷が待ち受けています。トクトクトク・・氷はゆっくり溶け何万年もの間閉じ込められていた空気が僅かずつ、今、手に持つグラスの中で蘇る。 プチッ!プチッ・・・
BGMは リー・ワイリー ビリー・ホリデイ エラ・フィッツジェラルド ジョー・スタッフォード アン・バートン ナンシー・ハーロー サラ・ヴォーン ヘレン・メリル チェット・ベイカー クリス・コナー ジュリー・ロンドン リンダ・ロンシュタット ローラ・フィジー・・・・・ などジャズボーカルが流れています。
本当にただただ、自分自身の為だけに「味わい飲む」「人生と一緒に飲み込む」。 そんなBARでした。 そんなBARに集まり応援して下さった決して忘れられない、忘れてはならないお客様の顔・・・
あれから20年も経ってしまいました。 出逢いと別れ、倒産の危機、神懸り的な幸運などで何とか元気にやって来れました。 「人生はどんな人と出逢うかで決まる」ものです。 その人生のスタートは、どんな国のどんな両親の元に生まれ落ちたのかそして性別は、そこから始まるのが人生です。変えようの無い事実、私はこれが宿命だと思っています。
その次にやって来る「運命」。 私にとっては運命共同体になっている今の仲間以外にはありません。 胸を張って大声を張り上げて申し上げます。 本当に素晴らしい若者達です。 私に人生の素晴らしさや感動を教えてくれる、こんな人物達と出遭えて私は本当に幸せ者です。 中国のことわざに「今生で出遭う為に人は三度生まれ変わる」のだそうです。そこまでしないと出遭えないのだそうです。 これからも大切にしていきます。何しろ後100年もしたならこの世にいる人は誰も生きていないのですからネ。
これまで大学で学んだ事や諸先輩がたの言葉、先人の哲学を自分自身の人生で試してきました。 その正しさと限界がおぼろげながら「ハッピーになるための人生のコツ」と言うかたちで見えてきました。 会社の仲間にはこの「コツ」を機会あるごとに伝えています。 とてもシンプルな事なのですが、それをするには人としての「我」や「欲」が邪魔してしまい中々難しいようです。
まぁそんな事で、何しろ初めはサラリーマン辞めても好きな事だから、何とか食べてはいけるでょう?的ないい加減な考えの者ですので、銀座にお店を開店できるようになるなんて思ってもいませんでした。 このような事が何故起きるのか、できるのか。物事には必ず原因・理由があり結果があるものです。
この20年の節目にあたり、これも偶然なのですが国立大学で授業をさせて頂く事になりました。授業と言ってもたった一時間(90分)ですけどね。 孤独に経営と立ち向かっている方や、夢や希望とは暫く遠ざかっている方、これから社会で挑戦しようとしている方などを対象にお話しをさせて頂こうとしています。 眠くならないように話す為に今からワクワクしています。
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