「ヨーロッパ食べ歩きの旅」。毎年数人選抜で行っています。今年は5人に行ってもらいました。 きっかけは本物(ものさし、定規)を知るためとプライドを持ってもらいたくて始めた事です。西欧料理に携わっていながら本物を知らない程、悲しくて無責任な事はないという思いからです。でもやっとこの数年それができるようになりました。それまでは行かせて上げたくてもお金が無くてできませんでした。 これからも可能な限りこんな経験を積んでもらいたいと思っています。そして仙台にたくさん本物を知っている人たちが増える事を願っています。 それは、和食も洋食も本物を知る人たちがレベルを上げてくれる人たちだと思っているからです。お店に物を言う人は少ないものです。それは思いやりもあるとは思いますが、何も言わないのではなく、言えないのだと思います。(私もその一人です。)知らなくては言えないものですから。
年明けに、届いたものがあります。 「封筒の底をごそごそ探ってみて下さい。ありましたか?奴さんか、鶴か、舟か・・・、折り紙1つ。」 「私の祖母は“ふく”と言います。私は大のおばあちゃん子で、結婚する時はおばあちゃんを連れて行くとずっと言っていた程です。」 そのふくばあちゃんはこの2月8日に90歳の誕生日を迎えます。30歳そこそこで夫を亡くしがんばってきたおばあちゃんです。 昨年の春に私は祖母に言いました。「ねぇ、おばあちゃん。いつもとてもお世話になっているお客様が1600人いらっしゃるの。それでね、日ごろの感謝と皆さんの商売繁盛を祈って、“特別な福”をお贈りしたいと思うのね。そこでね、おばあちゃん、来年は90歳になるおばあちゃんは長生きでとても凄いと思う。その凄いおばあちゃんが、さらに“ふく”って名前なんだから、とてもおめでたいと思うのね。 その」ふくばあちゃんに“心と福”を込めた奴さんの折り紙を、お一人に1つ、つまり1600個、来年の1月までに折って欲しいんだけど、どうかな?」 「いいよいいよ、お前がお世話になっている人たちなら。」
“心を込めて“と言うのは、祖母が毎日一生懸命に折ること。 “福を込めて”と言うのは、「ふく」さんが折ることと、もう1つあります。 折り紙を透かして見て下さい。この折り紙の裏には1枚1枚、全てに「福」の印が押してあります。もちろん祖母が押しました。
そんなこんなの1年で無事1600個の折り紙がオフィスに届きました。いくつもの小箱にぎっしりつまった色とりどりの折り紙。その折り紙をみつめてスタッフは「おばあちゃんの想いが・・・。このまま取っておきたい・・・。」と泣きました。
いえいえ、このままオフィスに取っておいては祖母の想いが水の泡ですので、皆さんへ。1つずつお贈りさせて頂きます。 感謝と皆さんの商売繁盛を祈り、ふくばあちゃんの“心と福”を込めて。 どうぞご笑納下さい。 折り紙を見ていると、 「孫のためなら、エ〜ンヤコラ、皆さんのためならエ〜ンヤコラ。」 私には、そんな祖母の歌が聴こえてきます。 日頃の感謝と商売繁盛をお祈りする祖母の歌が、どうか皆さんのお耳にも届きますように・・・。
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